
網走で水揚げされるカニは、殆どが網走沖の「北見大和堆」と呼ばれる大陸棚と網走沿岸の陸棚斜面にて漁獲されています。(図の青色部分)
アブラガニ、タラバガニ、イバラガニは、かに固定式刺網漁という漁業形態で獲られており流氷明けの4月から12月まで漁が行われています。固定式刺網漁とは、海中に網を張り固定し、それに引っかかったカニをとる漁法で、網走には2隻のカニ刺網船が在籍しています。(興運丸、昭福丸)
毛がには、毛がに籠漁によって漁獲されており、流氷明けの4月から8月までが漁期となっています。毛がに籠漁とはロープに等間隔で籠を取り付け、籠の中に餌を入れてカニをとる漁法です。網走には5隻の毛がに籠漁船が所属しています。
ズワイガニも主にカニ固定式刺網漁で漁獲されていますが、若干沖合底引網漁によっても漁獲されています。尚、刺し網漁業は法定知事許可漁業と規定され、刺し網の使用は関係機関によって管理監督されています。又、毛ガニ籠漁も資源管理の元、漁獲数量が決められています。
かに種類 | 漁獲する水深 | 漁業形態 | 水揚量(トン) |
---|---|---|---|
あぶらがに | 200 - 400m | かに固定式刺網漁 | 103 |
タラバガニ | 50 - 200m | かに固定式刺網漁 | 38 |
いばらがに | 400 - 700m | かに固定式刺網漁 | 147 |
毛がに | 60 - 130m | 毛がに籠漁 | 68 |
ズワイガニ | 200 - 450m | かに固定式刺網漁、沖合底引網漁 | 102 |
網走はアブラガニ、イバラガニは国内水揚げ数量ナンバーワンです。昨年は、両蟹を合わせても250トン余りしかありませんでした。国内産のアブラガニ、イバラガニは希少品なのです。また、その年によって、海水温などの関係で水揚げされる量が大幅に違ってきます。昨年は、イバラガニが豊漁でアブラガニは不漁でした。ちなみに、昨年の国産品ズワイガニ水揚げは、約4,700トン(北海道産約310トン)で、紅ズワイガニは、約20,300トン(北海道産約4,300トン)です。輸入
品は、タラバガニ約10,500トン、ズワイガニ約33,500トン(冷凍品、活合わせて)です。
(引用元:農林水産省の統計より)
特に、イバラガ二、アブラガニは超希少品で、国内水揚げの殆どを網走が占めているのです。
ぜひ希少な国内産かにを料理に使って他のお店と差別化を図りませんか?
網走産(国内産)をメニューに謳える蟹を使ってみませんか?
2009年カニ類の海面漁業漁獲量は約3万1,900t、年々やや減少傾向にある。そのうち63%(約2万100t)ベニズワイガニ、15%(約4,700t)ズワイガニが占める。カニ類の漁獲量が最も多いのは北海道25%(約7,900t)、次いで島根県18%(約5,700t)、兵庫県14%(約4,600t)と続く(表2)。また2009年のカニ類輸入量は約6万3,900t、国産の約2倍。そのうちズワイガニ66%、タラバガニ25%を占める(表3)。各カニの主な輸入先はタラバガニがロシア(75%)、アメリカ。ズワイガニはロシア(約83%)、カナダ、アメリカ。ガザミはバーレーン、中国、ケガニはロシア(約100%)である。(引用元:農林水産省の統計より)


オホーツク海沿岸などの北海道周辺の海域は、北半球ではもっとも低緯度で流氷が見られる場所です。
流氷は、アムール川から流れ込んで塩分が低くなった海水が凍り、凍る過程で塩分が排出されたものといわれています。流氷の中には、植物プランクトンの一種の小さな藻類が住んでいて「アイス・アルジー」と呼ばれ(アルジーは藻類のこと)、流氷の下にすむエビや小魚、アミなどの動物プランクトン、海底にすむウニやカニ、ホヤなどは、このアイス・アルジーをエサにして生活しているのです。
アイス・アルジーは流氷のとける春に爆発的に増殖し、海の生物のエサの基礎となり、そのおかげで、オホーツク海は豊かな水産資源に恵まれているのです。また、流氷が一定期間、海をふさいでしまうため、獲り過ぎによる資源の枯渇を防ぐことも大きいのです。