かに豆知識
カニは雑食性で、主に魚と貝を好んで食べるので、オホーツク海は蟹にとって格好の餌場です。網走ではイバラガニ、アブラガニ、タラバガニ、毛ガ二、 ズワイガニといったほとんどの蟹が水揚げされます。
身が締まっていて、とても甘みのあるカニばかりが獲れるため網走産の蟹は大人気です。
蟹は寒い海を好み棲家とするため、流氷が流れてくるほど冷たい網走前浜オホーツク海は、蟹にとって最高の生息地となっているのです。
寒さから身を守る為に魚のように脂がのる訳ではありませんが、カニも身が詰まっているのです。
なぜオホーツク海は豊かなのか
オホーツク海沿岸などの北海道周辺の海域は、北半球ではもっとも低緯度で流氷が見られる場所です。
流氷は、アムール川から流れ込んで塩分が低くなった海水が凍り、凍る過程で塩分が排出されたものといわれています。流氷の中には、植物プランクトンの一種の小さな藻類が住んでいて「アイス・アルジー」と呼ばれ(アルジーは藻類のこと)、流氷の下にすむエビや小魚、アミなどの動物プランクトン、海底にすむウニやカニ、ホヤなどは、このアイス・アルジーをエサにして生活しているのです。
アイス・アルジーは流氷のとける春に爆発的に増殖し、海の生物のエサの基礎となり、そのおかげで、オホーツク海は豊かな水産資源に恵まれているのです。また、流氷が一定期間、海をふさいでしまうため、獲り過ぎによる資源の枯渇を防ぐことも大きいのです。
かにの種類
【イバラガニ】
「イバラガニ」は全国的にもあまり知られていませんが、知る人ぞ知る本当に甘くて美味しい身の表面が真っ赤なカニです。タラバガニにひけをとらない味です。国産、輸入の数が少なく、ほとんど流通していないので「幻の蟹」と呼ばれています。甲幅20㎝に達するタラバガニの仲間で、近縁のタラバガニ類の中で甲面の突起の数がいちばん多く、小形固体では突起は棘状。茹でると殻はオレンジ色になり、水深400 - 700mの泥底に生息しています。弊社一押しのカニです。
【あぶらがに】
日本ではオホーツク海の網走前浜でのみ漁獲されるタラバガニに似たカニです。元々地元以外では流通されず、網走市やその近郊を中心に消費されていた 「地元の隠れた逸品」です。
あぶらがにが注目されたのは、網走市外の企業が「あぶらがに」を「たらばがに」と表示販売してしまったため、景品表示法違反で排除 命令を受けたことによるものでした。
なぜこのようなことが起きたかと言うと、見た目の区別が難しいこと、味が変わらないこと、価格に多少差があることがあげられます。
あぶらがにはおいしいカニです。味は深く、コクは豊かに、白く上品な身は流氷を想わせる、それが網走の「あぶらがに」なのです。

カニの王様と言えば、なんと言っても本タラバガニ。鱈(タラ)の漁場で採れることからこの名がつきました。脚を広げると1m以上にもなるものもあり、甘く濃厚な味は、カニの王(キングクラブ)の名に恥じない美味しさです。

日本海からオホーツク海、ベーリング海、カナダ東部沖海域の水深150~600mに生息。水温0~3度を好む。毎年脱皮して成長し、漁獲可能となる甲幅 9cmになるのに10年を要す。
オスの大きいものは甲幅15cm、脚を広げた大きさは左右70cmにもなる。山陰地方では松葉ガニ、北陸地方では越前ガニと呼ばれ、上品で甘みのある柔らかな肉質が誰からも好まれています。

ベーリング海から朝鮮半島くらいまでのエリアに分布し、日本においては北海道沿岸部に生息している。
ズワイガニやタラバガニに比べると体が小さく可食部も少ないが、食味に大変優れ身に甘みがあり、中に含まれている味噌が美味しいことでも知られています。北海道を代表する食材となっています。